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株式会社ウイングメディカル
 
■ジェネリック医薬品とは何か?
    ジェネリック医薬品(generic drug)は新薬の特許期間が満了となり、安価な開発費用で市場に投入できる医薬品です。成分を一般名で表示するところから一般名医薬品と呼ぶこともあります。
    医薬品は高度な技術と莫大な費用をかけて生み出される人類共有の財産です。特許期間(おおむね20年)がすぎればできるだけ多くの人々がその財産を有効に活用すべきであるという考えのもと、薬剤費の節約ツールとして先進各国ではその使用量が年々増えてきました。また開発途上国でも、安価で有効な薬は国民の命綱であり、先進国以上に重要視されています。
    呼び名についてこれまでジェネリック医薬品は「ゾロ品」、「コピー薬品」などと呼ばれてきました。ブランド品をコピーしてゾロゾロ出てきたからでしょう。
    今でも後発品という呼び方をされておりイメージは概してよくありません。
    理由は「品質が悪い」「すぐに入手できない」「大包装品しかない」「情報提供体制が貧弱」というもの。 しかし使用量が今でこそ全体の40〜50%に達した欧米諸国でもかつては同様の状態でした。それを現状まで育て上げる一翼を担ったのは薬剤師でした。

■ジェネリック医薬品の育て方
    ジェネリック医薬品を育てるには次の4つの課題に着目することが大切です。

 安定供給の確保
    供給の問題は、需要と供給の関係から言えば、卵と鶏の関係ですからまずは発注してみることです。売れ行きがおもわしくないなどの理由で製品をメーカーが勝手に市場から引き上げる例もありますが、これも薬剤師がよく目を光らせて無責任な対応のメーカーの製品を医師や患者に推奨しなければ淘汰されていくでしょう。
 品質の確保
    品質再評価で同等性が確保されているというものの、薬剤師が品質に対してより積極的に目を光らせる余地はあります。
    たとえば、ロット間での品質のばらつきはないか。長期間の保存に伴う劣化状況、異物の混入など。ブランド品と同様の厳しいチェックが必要です。
    また、製剤技術の違いによって使用感や外観が患者に不都合さを感じさせた場合はメーカーに働きかけて改善してもらう必要があります。
 情報提供
    医薬品情報の充実は「くすり」の生命線です。添付文書の改定や品質に関する情報は意識的に薬剤師がメーカーに要求することが求められます。
    ただし情報提供能力をすべて新薬メーカー並に求めることはあまり賢い方法ではありません。ジェネリック医薬品はその成分の有効性や安全性が長期間試され、品質の同等性を保証された製品です。情報提供の力点を新薬メーカーとは違う面に注いでもらうことに気を配りましょう。
 制度の充実
    平成14年4月に後発医薬品調剤加算2点と医薬品品質情報提供料10点が新設されました。ジェネリック医薬品使用環境の整備が図られたことを機会に薬剤師自らも制度づくりに寄与することが必要です。
    制度づくりに際しては以下のポイントに着目しましょう。
    1.新薬の開発促進策とジェネリック医薬品の使用促進策は車の両輪である
    2.代替調剤については医師の処方権とジェネリック医薬品の使用環境を十分に考慮して論議する
    3.品質、安全性、有効性、利用可能なコスト、適切な情報という5つのファクターからなる医薬品適正使用The rational use of drugsの促進策と関連させて制度を整備する
■日米のオレンジブック 
    ジェネリック医薬品の品質向上をねらって平成9年から医療用医薬品の品質再評価が始まりました。これは溶出試験の規格を設定して、いつでも追試を行うことができるようにしてその結果を医療用医薬品品質情報集(通称日本版オレンジブック)に公表する制度です。
    溶媒に製剤を溶かし主成分の溶出する時間と割合が同じであれば先発品とジェネリック医薬品は同等、すなわち同様の効果が期待できるという考え方です。
    ただし日米のオレンジブックは考え方が違うので注意が必要です。米国のオレンジブックはブランド品とジェネリック医薬品の生物学的同等性を第3者機関が判定したリストであり、同等性が認められないものも含めて公表されています。毎年はもちろん、毎月追補版がFDA米国食品医薬品局から発行されており、ホームページ上でも公開されています。
    (http://www.fda.gov/cder/orange/adp.htm)
■大切な視点
    人口の高齢化や新薬の市場投入により薬剤費はこれからも増加し続ける要因を失ってはいません。
    重要なのは、医療の質を下げずに薬剤費を節約するというジェネリック医薬品の原点を薬剤師がきちんと把握することです。薬剤費の節約は真の目的ではありません。限られた医療資源を持続的に有効に活用するための手段の一つなのです。

    [ 保生堂薬局  山本信夫 ]


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